1. くすりやさん、小学校の運動会に!
以前、埼玉の秩父のお得意さままで半年ごとに訪問していた。
そのときに小学校の運動会に何回か来賓で呼ばれたことがある。
なぜか?““富山の薬屋さん”といえば?そう!“紙風船”である。
この紙風船をいつもお土産に持っていっていたら、そのうちに運動会のゲストになってしまったのである。いまだに人気がある、富山の薬屋さんならではの四角い紙風船。
何年か前、某TV番組のお宝鑑定でも昔の紙風船が出されたことがある。
最近は作る人が少なくなってきたが、いまだに小さいお子さんから大人まで楽しみにしている人がたくさんいる。いつの時代も人の心は変わらない。
本当はこんなシンプルなものがかえって心を打つのかもしれない。
2. なが〜いお付き合い。
私たちのお得意様の年齢層は幅広い。若い方からお年寄りまで。
新しいお得意さん、またなが〜〜いお得意さん。もう何代にわたっても!!というお宅も。半年に一度でも10年間訪問していると親戚のようである。よくお得意様に「こんなに長くお付き合いしている人っていないよね」といわれます。確かにほかの仕事ではこんなことはないのではないでしょうか。毎回会うたびに親しみが増し、親身になって、いつまでも元気でいてほしいと願っています。
3. まむしの毒をとり除くおまじない
まむしの毒(まむしの歯移り)
人々が山仕事をしていたときのこと。草木についていた「まむしの毒」が、手足についてしまい、そこが真っ赤に腫れ上がってしまうことがありました。
そんなときに、私(森田重雄)が子供のころ(50年くらい前まで)母がまむしの毒をとりけすおまじないをしてなおしていました。(富山の上市町開谷でのことです)
どんな風にしていたかというと:
ワラビの灰と一緒に墨をすり、筆につけて患部斜め十字に墨を塗っ て、
息を吹きかける。そして、ハガネのかみそりをもって、
「まむしよ、まむしよ、まむしさん。ワラビのご恩を忘れたか」
と唱えながら、10回ほどカミソリでなでる。
すると、どうでしょう!あ〜ら不思議!!何日か後にはきれいに治ってしまったのです。その方々にたいそう感謝されました。(もちろん実話です)
※ まむしになんでワラビのご恩というのか?それにはこんな話しがあるのです。
ある日ま むしが春うららな野原で眠っていました。すると、知らないうちに、萱(かや)の新芽が伸びてきて、まむしの体に突き刺さってしまったのです。まむしが困っていると、ワラビがすくすく伸びてきて、まむしの体をもちあげてくれ、突き刺さっていた、萱(かや)から逃れることができたのです。
「ワラビのご恩」とはこのことをさしていたのです。
なんだかとっても不思議な話しですが、なぜか治ってしまう、
私の故郷ではこんな生活の知恵があったのです。
4. くすりやさんには紙風船
「富山」といえば「くすりやさん(越中売薬さん)」。くすりやさ んといえば、紙風船である。
JR富山駅前には売薬さんが、子供たちと紙風船で楽しんでいる像が建てられている。特に四角い紙風船はくすりやさん独特のもの。ちょっとほかにはない!
ではなぜ紙風船なのか?―――これは紙風船をふくらませるときに、一緒に病をこの中に吹き込み、その風船をつくことによって、病気を退治するという、そんな意味がこめられているからだ。
それはともあれ、今でも、薬の入れ替えをしていると子供たちが周りに集まってくる。
行李や、トランクを開けると「わ〜、いっぱい入ってるぅ〜〜」といってびっくりする子。
終わると、「おくすりやさん、ふうせんちょうだい!!ありがとう!」子供はいつの時代も変わらない。
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